アイドル地獄変α

 

帆奈美紀子(はんな みきこ)と平山夢子(ひらやま ゆめこ)は同じ「カケハシ興行」

の賭け出しのアイドルだ。共に19歳。

 

美紀子は170センチのロングヘアで、ボーイッシュで眼力が鋭く

女性ファンも多い。運動能力も高く、アイドルとしてはやや大人っぽいが、この先女優として

出世をどんどん続けていくだろうと業界の噂になっている。

 

もう一人の夢子は、背は168センチ、わりとまったりして童顔で華奢な体つきをしており、

前髪をくくってピョンと跳ねさせている。

 

(邪魔だ)

美紀子は夢子をウザったく思っていた。どちらかといえばクールが売りの美紀子は、バラエティの

ひな壇の仕事を夢子に取られてしまう。

(私の方が早く出世するか……それとも)

鏡を見ながら笑顔を作って見る。

ヒクついた不気味な笑顔しか出来なかった。

(それとも、夢子を潰すか……)

それをずっと考えていた。

 

ある日、そのチャンスはやってきた。

全体ミーティングの時

「イロモノで女子ボクシングやろうよ!」

ディレクターの言葉に、美紀子は思わず手を挙げた。

「やります! 私と、同期の平山夢子さんが適任だと思います」

「ああ、君ら駆け出しだったっけ」

ディレクターはマッチを擦ってゴールデンバットに火をつけた。

煙をもくもくと吐き出しながら「いいねぇ、適任だよ、適任」

と嬉しそうに笑う。

「で、夢子君の方はどうなの?」

ディレクターがタバコで夢子を指す。

「あ、はい、何でもやります!」

(かかった)

美紀子は笑いを抑えるのに必死だった。

美紀子はテコンドーを小学生の頃からしていたので格闘技は得意分野だった。

「じゃ、正月あけてしばらく経ってテレビもマンネリになったからそれ行こうね」

ディレクターが言うと、更に美紀子は言った。

「もふもふの当たっても痛くないようなグローブじゃなくて、ガチでやりましょう」

「おいおい、流血騒ぎは困るよ」ディレクターは眉をひそめて言う。

「血が出たら出たでいいんです、私、売り込み先知ってます」

「ほう、どこだい?」

「アダルトビデオメーカーです」

「アイドルの卵がアダルト? それは感心しないな」

ディレクターが机にひじを付く。

「覚悟の上です。ギリギリ出せる所を出してハンパなグラビアアイドルをやり続けても

この先たかが知れています。脱いで価値がある時に脱いで、殴りあいが出きる時にやらねば

この世界を乗り越えてはいけないと思っていますから。ね? 夢子さん」

「は、はい」

夢子は安直に答えた。

(馬鹿女が、血みどろにしてやる)

そのイヤらしい笑顔を美紀子はひたすら隠した。

「よし、じゃあ勝った方に次の仕事を任せようか」

「といいますと?」美紀子が反応した。

AVデビューを大々的に売り出して新番組を作るんだ、これは大出世だろう」

「本当ですか!?」夢子が大声を出す。

(これはもう確実に夢子を潰すしかないわね)

美紀子は心の中でほくそえんだ。

 

当日

 

「じゃあ撮影するけど、よくこんな場所知ってたね」

ディレクターは腕組みをしながら周りを見渡す。

両国国技館ほどある大きな試合場だ。

「ええ、地下女子ボクシングというモノがありましてね、その潰れた地区の1つがここなんですよ」

美紀子は得意げに言う。

「へー、何で地下ボクシングなんて知ってるの?」

そのディレクターの言葉はわざと聞こえないように美紀子はふるまった。

 

 「すみません、遅れました」

夢子が遅れて着いた。

「すみません、ホントにすみません、廃墟のライブハウスが入り口っていうのがどうにもわからなくて」

少しおどおどしている。

(喰らってやるッ!)

美紀子は顔に出ないように憎悪を燃やす。

「えーと、トップレスでしたよね、おっぱい出してアイドルなんてやっていけるのかなと思ったんですが……」

夢子の言葉に美紀子は即答する。

「帰る? それとも売れる?」

「えっ?」

「そのまま帰りたいなら帰ったらいい、でもゴマンといるアイドルの中で目立つにはこういう方法しか無いと

思うけど?」

「…………はい、やります」

(かかったな!)

 

 

「じゃあ、セコンドは無しでいいよね、軽く打ちあって適当に切り上げよう」

ディレクターがそう言うと、美紀子はディレクターを睨んで言った。

「ガチでやるといったハズです。どちらかがぶっ倒れて動かなくなるまでやりますよ!」

「しかし、AVだってそこまでやらないぞ?」

「そこまでやって、価値が出るんでしょう、売り込み先も私のコネで確保してあります!」

「君は……一体何者なんだ、ただの新人アイドルなのか!?」

ディレクターの問いに美紀子は頷いて言った。

「ただの新人アイドルです」

「は……あ」

ディレクターは嫌な汗をかいていた。こんなに生意気で高圧的で、しかし説得力のある言葉を発するアイドルは

そうそういない。この先とんでもなく売れるのではないかとの算段がすぐに出来た。

「よし、流血も有りで、どちらかがぶっ倒れるまでやろう、いいね? 夢子君」

「あ、はい……流血は嫌ですけど、売れないと食べていけませんからね」

そしてニコッと笑う。

(笑顔とは、また虚勢だな)

美紀子は夢子を睨む。

「あ、よろしくお願いします」

「宜しく夢子さん。私は赤コーナーで良いか?」

「はい、ボクシングもよく分からずに一夜漬けですからそのへんはおまかせします」

 

 

「莫迦だな」

思わず美紀子は声に出して言ってしまった。

急いで口を塞ぐ。

(愚かだな、口に出してしまうとは)

 

「ふふっ、私は莫迦だ莫迦だと言われて育ったんで大丈夫ですよ」

夢子が返してくる。

「そうか、そうか、フフッ、夢見がちのような名前をしているしね、悪気があったのでは無いんだ」

「ですよね、美紀子さんはそんなに悪い人じゃないですしね」

ズキッと美紀子の胸が痛んだ。

(莫迦は私だ、目の前にいるお前をひねり潰してやりたいのにおべんちゃらを使ってしまった。

この吐き気のような自己嫌悪感は久しぶりだな)

「でも!」

リングの上にあがって夢子は言う。

「おっぱい出すからには勝たせてもらいます!」

その言葉に美紀子は正気を取り戻した。

「そうか、勝たせてもらう……か」

「はい!」

「噛み締めたか?」

「はい?」

「マウスピースは噛み締めたかと」聞いているのだ!」

トップレスにそれぞれ赤と青のブルマとグローブのみで二人は急に激突した。

「カメラ回せ!」とディレクターの声が飛ぶ。

美紀子の右ストレートを夢子はグローブの手のひらで止めていた。

二人の顔が近くなる。

「私は嫌な女なのよ」

そう夢子には聞こえた。

 

どぐぅっ!

 

美紀子の左グローブが夢子のボディに突き刺さっていた。

「むぐっ!」

にゅるりと夢子のマウスピースが口から大きくはみ出た。

「実践もした事のないアマちゃんがぁっ!」

今度は右ボディを打つ。

 

ぐぼぉっ!

 

「んぶはっ!」

マウスピースと口の間から唾液がほとばしる。

「ガードするのも忘れる程に苦しみがやってくるでしょう……悶えなさい」

ズダン! 夢子はダウンした。

胸を揺らしながら左右へ体を揺らしながら悶絶している。

「へぇ、マウスピース吐かないのには感心したわ。それと、もうちょっと早く

立ってもらえないかしら。これで終わりじゃないでしょう?」

「げほっ! げほっ!」

むせながら夢子はゆっくりと立ち上がった。

冬というのにこの会場は暑い。スタッフ全員が手で顔をあおいでいる。

「ほら、あなたも鋭いの打ってきなさいよ、負けたく無いんでしょう?」

美紀子が挑発する。

「ほーらほーら、顔はここにあるわよ、たったボディ二発でもう終わり?」

「くっ!」

パンッ!

夢子のジャブが美紀子の顔面にヒットした。

「っっつ!」

パンッ! パンッ! パンッ!

鼻を中心にぴりぴりと傷みが走る。

「せいっ!」

ズバッ!

夢子のフックが美紀子の頬にヒットした。

「ぶふぇ……」唾液が飛び散る。

「この野郎!」

バキッ!

「ぶほ……」

逆に夢子は更に強烈なフックを浴びせられた。

「もう終わり? たいした事ないわね、ひ弱なフックね」

夢子はよろよろと足元がおぼつかない。

「ふんっ! ふんっ!」

夢子はフックを大降りに打つが、美紀子には当たらない。

「ほらっ! ほらっ!」

バキッ、ドカッ!

夢子の顔面にパンチが次々と打ち込まれる。

どぶぉ!

そしてボディへ一撃。

「ごぶぉっ!」と夢子の口から胃液の上がってくる音がする。

 

グワッシャーーッ!

 

そこへアッパーがきれいに決まった

胃液がきらきらと宙に舞い、純白のマウスピースが天高く吐き出された。

カメラがそのマウスピースを追っていく。

時間が止まったようだった、唾液の糸がマウスピースの軌跡を描く。

 

 

 

びちょーん!

 

そのマウスピースが大きくバウンドする音でみな、我にかえった。

 

びちょんびちょんびちょんびちょんびちょんびちょんコロコロコロペタッ……。

マウスピースは散々暴れまわってようやく動きを止めた。

「これで終わりかしら……」

美紀子は黒髪をさっとグローブで撫でた。

「あが……が」

夢子は蟹股で四肢を投げ出してそこへ転がっていた。

顔の横にはマウスピースが転がっている。

「あらお宝が転がってるじゃない」

美紀子はそれを拾い上げる。

そしてクンクン鼻を鳴らした。

「ツバとゲロの匂いが混じってるわね、でもツバのほうが強い匂いがするし、

これ一見するとゲロでベトベトじゃなくてツバでベトベトなのね」

「うっ、くくっ! 嗅がない……で」

夢子が声を絞り出す。

「あら、こんなに素敵なモノなのにね、嗅いでナンボなのよ。元に返してあげましょうか? それとも立てない?」

「立ちます……よ……帯番組……どうしても……ほしいですからね」

夢子はゆっくりと声を殺すように喋りながら立ち上がった。

「言っておくけど、私テコンドーやってたの。サンドバッグになるために立ち上がってくれてありがとう」

美紀子は冷たくそう言った。そして思う。

(ヤハリどいつもこいつも背負っているものが違うのね、ただ帯番組が欲しいだけなのね、まあ私もそうだけど

ライバルってヤツが欲しいのよねぇ……)

 

「私の生まれは東北で……」

夢子が呟き始めた。

「寒い寒い村で生まれて、父は猟銃を持って犬を連れて毎日山の奥へ狩へ行っていた……」

 

「はん、それがどうしたの?」

 

「そして寒い夜には決まってきりたんぽを母が出してくれた、ただそれだけの村だった……

私は凍える手で薪を集めるだけで……その世界は冷たくて寒い差別を受けるだけの小さな社会」

 

「…………。それで?」

 

「そんな村を捨てて出てきた私にはこの世界しか無かった……のし上がるしか……無いんです、帰る場所なんて無いんです」

 

それを聞いた瞬間、美紀子の背筋にゾワッとした感覚がのぼってきた。(こいつだ、見つけた!)と思った。

自分の背負っているものに同等の価値を持つものがいたのだ。

 

「貴方も何かを背負っている人なのね、同情はするわ(喰らってやりたい……)」

 

「だから勝たないといけないんです!負けられません!」

夢子がファイティングポーズをとった。

 

「良し!」

美紀子は夢子に襲い掛かる。

夢子は亀のようにガードを固めた。

バンッ! バンッ! バンッ!

「くっ、硬いガードねっ!」

汗を散らせながら美紀子はパンチをがむしゃらに打つ。

「私がアイドルよっ!」と美紀子が叫ぶとそれに呼応するようにガードの下から

「いいえ、私がアイドルですっ!」と夢子の声がした。

そして夢子はガードをといて鋭いストレートを打った。

どぶぉっ! と音がして美紀子の口からマウスピースがもっこりと顔を出した。

それはスローモーションにも見え、美紀子の髪がさらさらと靡いている。

「げほっ!」

美紀子がマウスピースを吐き出した。ビチョン、トン、トン、ペタリ。

リズミカルに跳ねたそれは動きを止め、じんわりと唾液の水溜りを作っていく。

「うげっ……効いた……」

トンと美紀子が膝をつく。

夢子は確かな手ごたえを感じ、倒れようとしている美紀子を見ながら(立たないで!)と願った。

だがそう簡単には倒れない。すぐに立ち上がった。

「楽しいわね貴方、ウザったいだけの甘ちゃんかと思ってたのにね……」

二人は自分のマウスピースを咥え直した。

 

「…………行きます!」

「来なさい!」

夢子は美紀子へ一直線に突っ走って言った、少し意識がフラフラしながらもストレートを打つ。

美紀子は首を傾けてそれを避けて、カウンターのストレートを打った。

 

ぐじゃっ……。

 

みかんを握りつぶしたような音がして、夢子の顔が醜く拉げた。

「ぶほぉぉぉっ!」

夢子の口から血が吐き出された。足元にビチャビチャと落ちる。

だがダウンせずに踏ん張る。

「貴方はもう十分頑張ってきた、もういいじゃない、芸能界をクビになるわけじゃないのに」

「い、いや、私はあなたに負けたくない……」

「私に?」

「あなた限定ってわけじゃない、立ち塞がった壁には負けたくない」

うつろな目はしっかりと美紀子の胸を貫いていた。

(やっぱりこの娘は最高だわ)

美紀子は身震いがした。

 

それから30分後、ひたすら顔面を中心に殴られて腫れ上がっている夢子は大の字になって横たわっていた。

美紀子も無事では済まず、顔面を血に染めて、右目が塞がれている状態だ。

血みどろのマウスピースが二個転がっており、そららの跳ねた跡が血の水溜りになっている。

黙りながら夢子は立ち上がろうとする。

「おい、もう死んじまうぞ、事故だけはごめんだ!」

ディレクターが叫ぶ。

「じゃあ……誰か入ってきて止めてごらんなさいよ……」

その冷たい美紀子の声を聞いて、誰も動こうとはしなかった。

夢子が立ち上がる。両目が腫れあがって前がよく見えてい無いようだった。

誰もい無い場所へパンチを打っている。

「負けない……負けないんだから!」口から血を垂らしながら必死に拳を振り回す。

バキッ! 「ぶへぇ」

美紀子のフックで夢子が大きく揺れる。

「もう貴方を仕留めるのは簡単だわ……楽しい時間はこれで終わり」

「お……わり?」

「そう、終わり」

 

グワッシャーッ!

 

強烈なフックが止めとなった。

夢子はそれを喰らい、大量に血を口から吐き出す

「アイドル……に……」

そう言いながらマットの上で体をバウンドさせ、ダウンした。

夢子は泡をがぼがぼ吐きながら痙攣をしている。

「もういい! 止めだ! これ以上はいかん! 皆で止めろ!」

ディレクターがそう言うと美紀子は言った。

「もう夢子さん、意識ありませんよ、試合は終わりました……」

「じゃあ撤収だ、早く美紀子君と夢子君を病院へ……」

ディレクターの言葉をまた美紀子は遮る。

「私の中では儀式が終わっていませんの」

「儀式? 何を言ってるんだ君は」

「ライバルの儀式……」

 

それから数分後、夢子は目を覚ました。

「さあ立ちなさい」

そう言って無理やり立たせると、美紀子は夢子にキスをした。

それはしばらく長い間続いたようだった。

「んっ、んんっ……」

夢子の全身の力が失われ、内股になり、突然失禁を始めた。

チョロチョロと内股を這うように流れていたそれは勢いを増し、ブルマを脱がすような勢いで

ジョワーッと流れ出た。

「こんなもの脱ぎなさい」

美紀子は夢子の青いブルマを脱がして股を広げた。

はっきりとピンクの女性器の尿道から尿が弧を描いて出ている。

「見ないで……見ないで……」

夢子は必死に言っているようだが、もう抵抗する力は無い。

「私をここまで追い込んだ英雄さん、テコンドーの時でさえ無敗だったのに」

美紀子は夢子の脇へと舌を這わせた。据えたような刺激臭の汗の匂いが鼻腔を刺激する。

「すっごく汗臭くて美味しい……」

「はうっ、くくっ!」夢子は苦痛のような恍惚のような、微妙な表情をしている。

やがて尿はチョロチョロと少量になり、止まった。

AVだからねぇ、ちょっとはエッチで無いとね」

そういってどちらのかはわからない一つの血と唾液でヌルヌルのマウスピースを持ってきて、美紀子自身も

赤いブルマを脱いだ。

そして先端を自分の膣口に入れて、もう片方を夢子の膣口に入れた。

そして腰を振る。

ヌッチョヌッチョヌッチョヌッチョヌッチョグッチョグッチョグッチョグッチョグッチョ……

 

「ああっ、あああっ! ああっ!」夢子が大きな声をあげる。

「あれ、こんなの始めてだったのかしら? はぁ、はぁ」

ぐちゅりぐちゅりぐちゅりぐちゅりぐちゅり……。

夢子も大胆に腰を振ってきた。

「ごめん、あなたが好きすぎてもうイっちゃうわ、先にごめん」

美紀子はそう言うともう平常心を保て無くなった。

「うはっ、イくっ、イっちゃうっ! イク、イク、あ、あああああっ!」

ビュルルルッ! と潮を吹いて腰をガクガクさせた。

「私もイきます、イ……キマス」

どぶっと夢子の膣口から白い粘液がほとばしった。

「あ、本気汁だぁ」そう言って美紀子はあおむけに倒れた、夢子も倒れる。

「なんかあなたのファンになっちゃった」美紀子が緩んだ顔で言う。

「私の……ですか」

「あ、しんどいなら喋らなくて良いわよ」

「…………」

「私、こう見えても色々ワケ有りでね、普通の苦難や壁なんて何とも思ってないのよ」

「…………」

「だから横に並んで走れるような友人が欲しくて欲しくて、それはライバルっていうのかな、

正直に言うとそのライバルも叩き潰して私は勝ち逃げしたいのよ。

そこが自分でも難しいなって思うところ。思った事と結果が違う」

「…………」

「さぁて、東北娘がどこまでやれるのか気になるわね、最初は憎悪のみの感情で叩き潰そうと思って炊けど

情が移ったのかしら、正々堂々とライバルとして迎え入れたくなったわ」

「……でも、私は完全にこの試合で叩きのめされてしまったので」

「まあ……結果はね。まあこれも過程とでも思ったら? 私はそう思う」

「…………」

「まあ、このAVの売り先は闇の闇、かなりのお金になると思うから、二人で帯番組やれるんじゃないの?」

「えっ?」

「まあ私にまかせておきなさい……」

二人はそして何も言わなくなった。

マットの上は様々な液体の蒸化した匂いがムワッとむせかえるようにして、スタッフはマスクをしながら

清掃する事になった。

 

 

正月も過ぎ、新番組が始まった。結局普通に流通するAVは出してい無いのでそこはバレずに普通にアイドルとして夢子と美紀子は

そのバラエティの司会となった。

美紀子はたまに楽屋で出会う夢子に言う。

「ライバルは全員、喰らってやるわ」

そう言って笑う。

「正直になれたわね」

夢子は微笑み返した。